共通して痛めやすい部位
腰痛は普段の体の使い方や、姿勢の歪み、ヘルニアなどの既往歴の有無によって、痛みを感じる箇所が違うこともあるので。お体の状態に合わせた施術を組み立てる必要があります。まずは共通して痛めやすい部位をほぐしながら見極めてゆきます。
腹筋群と胸腰筋膜
腹筋群は空洞になっている腰椎の回りを、コルセットのように囲い守っています。
背骨を柔軟に動かしたり、座ったまま何か作業をする時にスムーズに行えるのも実は腹筋の働きが大きいのです。
腹筋のコリや筋力の低下は、腰痛や骨盤の歪みにも関係してきます。
骨盤の高さが左右で違う場合はどちらかが硬く張り詰めている場合があるので硬さを確かめつつ筋肉の表面を緩めていきます。
いきなり拇指圧で押圧すると鋭い痛みを感じる事もあるので、柔らかく大きく揉捏したり、軽くストレッチを入れたりします。
胸腰筋膜は背中からお尻の筋肉に渡ってついている自前の腰サポーター的な筋膜です。
腰を屈めたり、捻ったり伸ばしたりなど、フレキシブルな動きに対応してくれるぶん負担も多くかかります。
姿勢を支える役割もあるので、同じ体勢を長時間続ける事でも疲労します。
筋膜は筋肉よりも痛みを感じやすいのも特徴です。
腰背部に緩みが出てきたら、臀部の筋膜の付け根にじんわりと拇指圧迫を加えて緩め、流れで腰背部の筋肉もほぐしてゆきます。
腰の筋肉は骨盤に付いているので、骨盤のキワ(腸骨稜)、背骨と骨盤の境目にもしっかりとした圧を加えてほぐしてゆきます。
ぎっくり腰の予防にもなります。
臀筋群と梨状筋
臀部の筋肉は脚を外側に開いたり、骨盤を安定させたり、立ち上がるジャンプする、など大きな力を使う時の動力となる筋肉です。
大腿骨の付け根にある大転子という骨に付いています。
座りっぱなしや運動不足などで筋力が低下すると骨盤の支えが弱くなり大転子に負荷がかかります。
通常、大転子そのものが痛みを発することは無いのですが、体を支えたり脚を動かす時の支点となっているこの部位の疲労やコリが腰臀部の痛みとして現れることがあります。
圧痛を感じやすい部位なので、じっくりゆっくり深部まで圧をおくり緩めます。
臀筋の奥に付いている梨状筋は左右の骨盤と大腿骨を繋ぎ骨盤の安定、股関節の動きに深く関わっています。
座りっぱなしなどで圧迫が続くと近くを通っている坐骨神経を圧迫して不快な痛みを発する場合があります。
臀筋群と梨状筋は拳や肘など広くて硬さのある部位を使ってほぐします。
膝を曲げることで臀部の筋肉にストレスを欠けずに深部まで押圧できます。
膝を曲げられない方は、
横向きで施術をしますので、
ご安心下さい。
お尻の筋力低下は骨盤を歪ませる原因の1つでもあるので、
動かしやすくなりましたら、少しづつ筋トレをしましょう☆
骨盤を揺らしてリラックス
骨盤を固定している強固な靭帯、不動の関節と言われている仙腸関節は直接ほぐすことはできませんが、気持ちよく揺らす事で蓄積されている日々の緊張や疲労を緩和します。
腰背部、臀部、腹筋群、前側の大腿筋、腸腰筋など、広範囲のストレッチにもなり、とても気持ちよく体が伸びます。
深部にあって直接ほぐせない筋肉も弛緩させることができます。
ヘルニアやすべり症など
お持ちの方は違う方法で
緩めますね。
ストレッチで全体を緩めた後は、股関節を動かしながら動きの渋さは無いか、筋肉の伸張具合はどうかを確かめつつ腿の外側と内側をほぐします。
腿の外側に付いている大腿筋膜、腸脛靭帯は圧痛を感じやすいうえに、ほぐれにくい部位なので少しずつ加圧しながら緩めてゆきます。
股関節が開きにくい場合は臀筋群や梨状筋のコリがまだ残っているので、もう一度深く押圧して緩めます。
梨状筋は深部にある筋肉なので、何度かに分けてほぐす事で着実に緩めてゆきます。
体がポカポカ温かくなってきますよ。
大腿部と骨盤の歪み
骨盤の歪み方によって大腿部のコリ・張りの部分が異なってきます。これまでの工程で緩みきらなかった部位が「不調の元」として浮いてきますのでほぐしてゆきます。
骨盤後傾×ハムストリングス
臀筋群の筋力低下や、猫背の影響で骨盤が背中側に傾く「骨盤後傾」になると、腿裏のハムストリングスが後ろに倒れてきた骨盤の重さで圧迫され縮んで固まってしまいます。
だんだんと外側重心になると、ガニ股になったり骨盤が捻れてしまう心配が出てきます。
ハムストリングスは膝関節・股関節を動かす時に使う筋肉なので縮まったままだと歩幅が小さくなったり、膝の曲げ伸ばしが十分に行えなかったりします。
骨盤を後方に傾ける時にも働く筋肉なので縮まったままだと骨盤も元の位置にもどる事ができません。
前屈や開脚がうまくできない、猫背が気になるなどのお悩みをお持ちの方は骨盤がすでに後傾しているかもしれません。
ハムストリングスをほぐして筋肉の伸張性をアップさせます。
腿の外側と臀筋の下縁は固着している場合が多いのでへばりつきを剥がすように付け根まで丁寧にほぐします。
太腿は体の発電所。
軽いウォーキングや楽しいダンスで弱った筋力を回復させましょう☆
骨盤前傾×前側の腿
反り腰の影響で、骨盤が前傾してしまうと、大腰筋が腰椎を前にひっぱるので、腰が痛くなります。前腿は過剰に緊張させられ硬く張りつめてしまいます。
背面の緊張も強くなるので首痛を伴う肩こりになったり、背中や胸が締め付けられるような不快感、息苦しさを感じる場合があります。
腸腰筋は大腰筋と腸骨筋を合わせた筋肉で、姿勢を支えたり股関節を動かす時に使います。
座りっぱなしの姿勢では折りたたまれて縮んでしまい、立ちっぱなしでは腿の緊張に影響され硬く張ってしまいます。
腸腰筋のコリは腰痛・骨盤の前傾の他にも、大腿を持ち上げる力が弱くなったり、姿勢の安定が難しくなったりします。
背屈が苦手、真っ直ぐ壁に立った時に壁と背中の間に拳2個位隙間が空いてしまう方はすでに骨盤が前傾しているかもしれません。
腸腰筋の緊張をほぐして腰椎のひっぱりを緩めます。
股関節を内側外側に回し太腿の筋肉、臀部の筋肉のほぐれ具合、股関節の可動域を確かめます。
渋さが残っていたらもう一度ほぐし、また回します。股関節が滑らかに回旋できたらOKです。
股関節を回せない方は違う手技を使うので
大丈夫ですよ。
腹筋が弱くなったり、ハイヒール生活は骨盤前傾の原因になるので気をつけましょう☆
まとめ
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